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第二十八回 留学生の食事情 2

北京大学
09 /01 2018
寮の自室で。北京大学寮内にて。 1993年 北京

 残念ながら私は機会が無く、中国人学生寮に出入りをしたことはないのですが、2~6人部屋(学部生や院生の別で、形式が違うようです)では、プライベートなスペースも限られ、寮内での煮炊きも禁止されていると聞いたことがあります。

 北京大学の留学生寮には一応、調理用とされている小部屋がありました。一応、とは、簡単な作業台と、コンセントの差込み、小さな洗い場があるだけの部屋だったからです。

 ガス台はもとより、他の調理設備も皆無なのは、防災上の理由からか自炊を歓迎しない大学側の姿勢が伺えます。
 それでも、宗教的な理由で自炊をせざるを得ない学生もいるので、完全に禁止するのは難しい実情と思われます。一応、の調理部屋が最大限の譲歩として存在するのでは、と推測しています。

 従って、自炊は言わば留学生が勝手にやっていることになりますが、留学期間が長い程、自炊の率は高いようです。冷蔵庫やトースターなど、家電品を多く所持しているのも、長期滞在者の特徴と言えるでしょう。

 調理部屋で調理する際は、設備に関しては前述のような事情の為、自分で必要な器具を持参して行います。
 食事時にもなると、調理の順番を待つ留学生で井戸端ならぬ、炊事場会議になるのです。これも又自炊の楽しさ。

 調理部屋でも自室で調理するにしても、火力は電気コンロのみ。コンロは、小学生があぶり出しに使う、アレだと思って頂ければ宜しい。
 しかし当時、コンロは作りがしっかりしていなかった為、料理が中断させられることも日常茶飯事。調理中に突如電気線が焼き切れてしまい、慌てて隣人が使っていたコンロに鍋を移させてもらうことも、珍しくはありませんでした。

知人の住むアパートの廊下。この恐ろしく簡単な調理台で、皆次から次へと料理をこしらえてゆく・・・。 1992年 北京

 故障もしょっちゅう、火力調整も出来ないコンロなのに、トンカツや天ぷら、カレーに味噌汁、お好み焼き、煮物・・・、と我ながら結構器用に作っていました。

 でも、自分がそこまでやったのは電気コンロだったからかも知れません。
 知人を訪ねに北京師範大学へお邪魔した際、寮の廊下にガスボンベが据えられ、そこで料理をしているのを見たことがあります。もし、熱源がガスボンベだったら、過失で爆発でもしたら怖い(!?)ので、果たして自炊したかどうか判りません。

 とにもかくにも、環境次第で生活形態に随分と影響を受けるのは、確かなようで・・・。


 ・・・以下続く

(※ 註:この記事は 2006.4.24 に掲載されたものを転載しています)
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第二十七回 留学生の食事情 1

北京大学
08 /30 2018
第二十七回 留学生の食事情 1


北京大学の中国人食堂(中国人学生食堂2でご紹介)。人が多すぎて何の絵か判らないですよね・・・ 1992年 北京

 恐らく多くの留学生が、安価な食事が提供される学生食堂を利用しているでしょうが、北京大学構内では、他にも数軒のレストランが開業しています。
 どういう利権システムで運営されているのかよく判りませんが、90年代初めで既に日本料理屋、焼肉屋、しゃぶしゃぶ屋などがありました。

 これらは街のレストランと同様の利用方法で、職員の小宴会や、中国語の家庭教師をお願いしている中国人学生に、ねぎらいの宴を張っている留学生の姿、学生食堂の食事に飽きてしまった学生なども見受けられたものです。

 大学周辺にも手頃な料理屋はあるので、たまには外食を、という日もあります。私個人としては、食生活に不自由を感じることはありませんでした。

 北京大学の留学生用食堂は、留学生寮の裏に付設されています。私が滞在していた頃は、中国人学生の利用は原則不可でしたが、現在はどうなのでしょう。
 中の構造は、食堂内の一部を仕切り、一方は服務員が注文を取りに来て、宴会も出来るような点菜部(ディエンツァイブ・「点菜」は料理を注文するという意)で、もう一方は中国人学生食堂のように窓口で自分が食べたい物を選びます。前者は現金払いで、後者は食券制となっていました。

北京大学勺園(留学生寮)食堂。右が点菜部、左が一般の食堂。昔とあまり変わらない。 2002年 北京

 中国人学生食堂と異なり、見本があらかじめ窓口に並べられているので、名称が分からない場合も、指して注文すれば済みます。
 メニューは中国料理から西洋料理まで、守備範囲が広いのはさすがです。ただ、あくまで「中国式」西洋料理なのは致し方ありませんが・・・。

 料理は皿に盛って供されるので、マイ食器持参の必要は特にありませんが、食堂で食事をせず、自炊派が、米飯だけ買いに器持参で現れることもあります。

 学生食堂は、食べるだけでなく様々な情報交換の場なので、それなりに利用価値のある場です。が、私も留学2年目以降、学食へ足を運ぶ頻度は減り、自分で料理して自室で食べる、自炊派に転じるようになりました。


 ・・・以下続く

(※ 註:この記事は 2006.3.10 に掲載されたものを転載しています)

第十五回 中国人学生食堂 3

北京大学
08 /17 2018
北京大学構内で開かれた絵画展。昼休みなので鑑賞しつつ立ったまま昼食を摂っている人。見えます? 1993年 北京

 食事は、食堂内のテーブルで摂ることも出来ますが、食器を返却する必要が無いので、屋外や寮の自室に持ち帰って食べる学生もいます。

 一刻でも早く口に入れたいのか、立ったたまま、もしくは歩きながら(!)食べてる光景を見かけることもしばしばで、これには驚きましたが・・・。

 各食堂には、それぞれ学一食堂、学二食堂・・・と少々味気無い名前が付けられていました。
 近年北京大学を再訪した折も、その名称は変わっていませんで、ストレートなネーミングがレトロな感じすらしますが、中身は改革が進んでいるようです。
 椅子やテーブルは新しいデザインのものに変わっていましたし、今では食券の他に、プリペイドカードも導入されているそうです。

 又、料金は高めな設定だと思いますが、元々の学生食堂が進化したような、お盆や食器を返却する、キャフェテリア方式と云うのでしょうか、雰囲気もオシャレで新しいタイプの食堂が近年登場しています。

昼食の包子をほおばりながら。北京大学構内の絵画展にて。 1993年 北京

 留学生が中国人学生食堂を利用したい場合、利用は可能でしたから、例えば、学三食堂で朝食にだけ出ている肉包子(ロウパオヅ・肉まん)を食べたいが為に、頑張って早起きをする留学生もいました。
 きっと中国人学生にもそれぞれ、ご贔屓の食堂、或いはメニューがあるのではないかと思います。

 因みに私は学五食堂のピーナッツ餡入り焼き菓子が、大の気に入りでした。それだけを買いに、脚を運んでいたものです。
 あれは是非とも、今一度お目に(?口に?)掛かりたいメニューの一つです。

北京大学構内で。 1993年北京


・・・以下続く

(※ 註:この記事は 2005.11.21 に掲載されたものを転載しています)

第十四回 中国人学生食堂 2

北京大学
08 /16 2018
2002年頃の北京大学中国人学生食堂。いまはもっと様子が変わっているかも・・・。 2002年 北京

 学生食堂では窓口がずらりと並んでいて、自分の食べたい物を出してくれる所に並びます。

 窓口付近にそこで供されるメニューが書き出してあるので、幾種類もの惣菜を食すのならば、窓口のハシゴとなります。

 大抵は米飯か、饅頭(マントウ・餡無し蒸しパンの一種)等の主食を選択し、続いて惣菜を選択するのが順序。
 主食に米飯を選んだなら、その上に惣菜をかけるのが、一般的なスタイル。
 惣菜は炒め物が中心で、食材は野菜、卵、豆、キクラゲなどの乾物、ハムを含めた肉類・・・、と豊富。味付けも、醤油、塩、味噌、ケチャップ(トマト?)味等々、バラエティーに富んでいました。

 ただ、北京という土地柄、魚類は泥臭い川魚が多く出回っていて調理に手間取るせいか、学生食堂のメニューにはあまり登場していないようでした。

 見た目はさておき、いずれも温かい内は美味しく食べられるものですし、栄養の偏りにさえ注意すれば、学食生活も悪くありません。

 更に食べ足りなければ、焼き菓子や揚げ菓子も売られているので、テイクアウトしておやつに食べるということも可能です。

北京大学中国人学生食堂裏。冬になると備蓄の白菜が積まれている。 1992年 北京

 飲み物は、ジュース類は買えますが、お茶は無し。
 日本の外食風景には、ヤカンかポットが机の端に置かれていてお茶はご自由に、というのが自然なイメージとして浮かびます。けれども中国では食事中にお茶を飲むことは、少ないような気がします。
 しかし近年、日本発でお茶のペットボトルが中国国内でも発売されて結構な普及率ですから、現在は売られているかも知れません。

 食事が終わると、食堂出入り口近くに残飯入れと、流し場があるので、そこで食器をキレイにして食堂を後にする、というのが大まかな学食利用の流れとなります。


 ・・・以下続く

(※ 註:この記事は 2005.11.13 に掲載されたものを転載しています)

第十三回 中国人学生食堂 1

北京大学
08 /14 2018
北京大学構内を撮影 2005年 北京

 中国の大学は、敷地内に生活に必要な施設が大抵備わっているので、学生の食事についても、学生食堂が完備されています。
 北京大学では学生食堂も寮と同じく、中国人学生用と留学生用が、別に建てられていました。

 他校では食券制でなかったり、留学生の少ない大学では、寮も食堂も、中国人学生と一緒の所もあります。
 学食のみならず、その他の施設もそうなのですが、大学によって細かい状況は異なります。ここは一つの例として捉えて頂ければ、と思います。

 北京大学の中国人学生食堂は、数軒が広い構内に点在しています。

 学生食堂の利用に必要な物は、食券に、あとは自分の食器。
 プラスチック製の食券には金額が印刷されており、お金と同じように使います。
 自前の食器としては、ホウロウ製の、洗面器を小さくしたような碗と、揃いの皿。碗は火にかけて温める鍋にもなりますし、皿は蓋にもなるので便利です。これに箸かスプーンで基本セットとなります。
 女子学生などは教科書の入ったカバンの他に、この基本セットを手製の巾着袋に入れて、食前の授業に出席したりするのです。

北京師範大学附属実験中学校の廊下にて。栄養バランスや健康について説いているポスター。 1992年 北京

 何と言っても一時に大勢の食事を賄うので、食堂側としては作るのと、釜から惣菜をよそうので精一杯。よって食器を準備して洗って、までは手がらない、ということか、はたまた、衛生面は学生各自で責任を持つように、ということか・・・。

 学生達は時間になると、寮や教室から自転車(授業の移動にも活用)や、徒歩で食堂へ赴いて食事を摂りに行きます。


 ・・・以下続く

(※ 註:この記事は 2005.10.25 に掲載されたものを転載しています)

かずよ

北京留学時代のちょっと懐かしい話題から現代中国事情

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